
関東(下野)と奥州(陸奥)の境にある神社
白河関跡に鎮座する白河神社の縁起によると、白河関を設置するにあたり、関の南北に、住吉、玉津島明神を祀ったとあります。
東山道に残る追分の明神は、現在は那須町側にのみ残されていますが、本来は、国境を挟んで、那須町側と白河市側にあったものと思われます。


古代の国境には住吉・玉津島を祀る習わしが
奥州街道にある境の明神にある解説によると、古代の国境には、住吉神社と玉津島神社を祀る習わしがあったとあります。
⇒ 境の明神
住吉神社は中筒男命(なかつつおのみこと)という男神であり、男神は外、他地方を抑えるという考えがあります。
一方の玉津島神は、衣通姫(そとおりひめ)であり、女神です。
女神は内、つまり自国を守ると考えられていました。
かつては、那須町側には玉津島神社、白河市側には住吉神社が鎮座していたのですが、追分の明神では、いつの頃にか玉津島神社と住吉神社が合祀され、那須町側に残ることになったと考えられます。


義経伝説の起点となる追分の明神
栃木県側には、源義経にまつわる伝説の看板が、14も設置されています。
そのなかのひとつが追分の明神であり、起点となっています。


追分の明神から、栃木県方面に東山道を行くと、あちこちに源義経伝説にまつわる場所があらわれます。
矢の根石もそのひとつで、奥州平泉から義経一行が頼朝のもとへ向かう途中、弁慶が「我が願い吉ならば、この石に立てよ」と、取り出した矢の根を親指で押し込めると、矢が石につきささったという伝説です。



車で行くか、白河関から歩くか
追分の明神は、細い山道にあるためか、公共交通機関では行くことができません。
車で行くのがベストです。
ただし、白河関跡までは、JR新白河駅前から出ている路線バス「白河・白河の関線」で行くことができます。
路線バス「白河・白河の関線」の、関の森公園で下車すると、白河関の森公園の正面に到着します。
所要時間は45分ほど。
バス料金は780円で、SUICAなどの交通系電子マネーは利用できません。
ここから、追分の明神までは2.6キロ、徒歩で40分ほどかかりますが、追分の明神にたどり着くことができます。