
小栗山観音堂とは?
小栗観音堂は、仙道三十三観音の30番目の札所として知られています。
正式名称は、小栗山高福寺といいます。
観音堂は、小栗山に抱かれるようにひっそりとしています。
堂の中には岩の洞穴があり、行基作と伝えられる十一面観世音が安置されています。



十一面観世音菩薩とは?
日本語では「十一面観音菩薩」とか「十一面観世音菩薩」などと呼ばれますが、国宝や重要文化財等の指定名称は「十一面観音」となっています。
十一面観音とは、文字通り、頭の上に十一の顔を持ち、全ての方向を見守っているという観音菩薩 のことです。
奈良時代のころから信仰されるようになりました。
観音菩薩は、日本では特に人気があり、十一面観音とならんで千手観音がその中心となっています。
全方位を見渡す顔と千本の手は、どんな人でも救ってくれるパワーがあると信じられています。
十一面観音は、左手に花瓶、右手を前にして開いた姿が多いようです。
小栗山観音堂の十一面観音はどんなお姿をしているのか、見てみたいですね。
十一面観音のご利益とは?
ウィキペディアによると、次のようなご利益があるとされています。
十種勝利
- 離諸疾病(病気にかからない)
- 一切如來攝受(一切の如来に受け入れられる)
- 任運獲得金銀財寶諸穀麥等(金銀財宝や食物などに不自由しない)
- 一切怨敵不能沮壞(一切の怨敵から害を受けない)
- 國王王子在於王宮先言慰問(国王や王子が王宮で慰労してくれる)
- 不被毒藥蠱毒。寒熱等病皆不著身(毒薬や虫の毒に当たらず、悪寒や発熱等の病状がひどく出ない。)
- 一切刀杖所不能害(一切の凶器によって害を受けない)
- 水不能溺(溺死しない)
- 火不能燒(焼死しない)
- 不非命中夭(不慮の事故で死なない)
四種功德
- 臨命終時得見如來(臨終の際に如来とまみえる)
- 不生於惡趣(悪趣、すなわち地獄・餓鬼・畜生に生まれ変わらない)
- 不非命終(早死にしない)
- 從此世界得生極樂國土(今生のあとに極楽浄土に生まれ変わる)
国宝に指定されている十一面観音菩薩は全国でも7体。
最も多いのが奈良県です。
- 京都府 観音寺
- 京都府 六波羅蜜寺
- 大阪府 道明寺
- 奈良県 聖林寺
- 奈良県 室生寺
- 奈良県 法華寺
- 滋賀県 渡岸寺(向源寺)
最も美しいとされるのが、滋賀県 渡岸寺(向源寺)の十一面観音菩薩といわれています。

仙道三十三観音とは?
仙道とは福島県の中通り地方の古称のようです。
伊達政宗がこの地方に攻めてきたことが文書で残されていますが、なぜ仙道というかは不明です。
仙道三十三観音とは、中通りの二本松市から郡山、田村、石川、岩瀬、白河辺りにある観音堂などを指しています。
仙道第一番札所は、田村市の鎮守山泰平寺(田村大元神社)、仙道第二番札所は郡山市の高岳山 如宝寺「観音堂」と続きます。
最後の33番目は、須賀川市の羽黒山福寿院神宮寺「観音堂」になります。

町指定天然記念物 樹齢500年のケヤキ
小栗山観音堂のケヤキは、幹まわり5.27メートル、根元周囲が7.60メートル、推定樹齢500年という巨木です。
このようなケヤキの大木はなかなか見当たらないことから、鏡石町の天然記念物に指定されています。


しかし、夏場はその巨木の姿が拝めません。
野草が茂り、人が近づくことをさえぎっているためです。
小栗山観音堂にもなかなか近づくことができなかったのですが、最近、草などが刈り取られているようです。
