国指定重要文化財 新宮熊野神社長床(ながとこ)

国指定重要文化財 新宮熊野神社長床(ながとこ)
新宮熊野神社 喜多方市

平安時代に建立された新宮熊野神社

喜多方市の中心部から南に、田園風景を抜けると小さな集落の左右に従えるかのように、新宮熊野神社の大きな鳥居が目にはいります。

 

一瞬、京都の古社を訪れたかのような錯覚におちいりますが、それもそのはず。

 

新宮熊野神社は平安期に建立され、東北地方では最も古い1089年とされています。

 

これは、1124年建立の中尊寺(平泉)、1160年の白水阿弥陀堂(いわき)よりもずっと古い年代となります。

 

 

「長床(ながとこ)」とは拝殿のこと

国の重要文化財に指定されている「長床(ながとこ)」とは拝殿のことです。

 

あまりの大きさと、拝殿の手前にある大イチョウ(樹齢1000年くらい)のため、全景を撮影することができませんでしたが、その雄姿は立ち並ぶ柱をみればわかると思います。

 

まるで、奈良のお寺の柱のようです。 

 

これらの景観と歴史が「興味深い」と評価され、ミシュラン・グリーンガイド東北Web版にも掲載されています。

Kitakata Shingu Kumano shrine

 

 

国指定重要文化財 新宮熊野神社長床(ながとこ)
新宮熊野神社 長床 内部

 

直径一尺五寸の円柱44本が十尺の等間隔に5列にならんでいる様は、大変な迫力があります。

 

この拝殿は、1611年(慶長16年)の大地震で倒壊してしまいましたが、蒲生忠郷が1614年に旧剤を用いてひと回り小さく長床を再建しました。

 

その後も修復が加えられていますが、建造当時の木材が今も残っているということのようです。

 

新宮熊野神社長床 国指定重要文化財
新宮熊野神社長床 国指定重要文化財

御神木の大イチョウ

国指定重要文化財 新宮熊野神社長床(ながとこ)
新宮熊野神社 大イチョウ

 

この大イチョウが、長床のすぐ前にあるため、長床をすぐに目にすることができません。

 

長床のなかには入ることができますので、なかから外をみてください。

 

国指定重要文化財 新宮熊野神社長床(ながとこ)
新宮熊野神社

熊野造りの本殿

本殿は熊野造り、三社が祀られています。

 

2度の山崩れのために、何度も倒壊・破損しているため、修復がたびたびおこなわれているようです。

 

中央の新宮社は、梁が鉄骨で支えられているような状態でした。

 

国指定重要文化財 新宮熊野神社長床(ながとこ)
新宮熊野神社 長床の奥にある熊野三社の社殿
国指定重要文化財 新宮熊野神社長床(ながとこ)
新宮熊野神社本殿 県指定重要文化財

宝物殿には重要文化財が

宝物殿には、国指定重要文化財の胴鉢のほか、木造文殊菩薩騎獅像や、古文書類が展示されています。

 

国指定重要文化財 新宮熊野神社長床(ながとこ)
新宮熊野神社
国指定重要文化財 新宮熊野神社長床(ながとこ)
新宮熊野神社

新宮熊野神社の社歴

1085年

 

 

 

源頼義が前九年の役で陸奥討伐に赴いた際、東北の和平を紀州熊野三社に祈願をし、平定のあかつきには熊野三社を勧請し、国家鎮護の祈願所とすることを神に誓った。後三年の役に源義家が父頼義の意をついで、この地に熊野三社を勧請した。

 

1189年

 

 源頼朝が御家人の佐原義連に会津四郡を与えたことにより、社領を没収する。

 

1192年

 

 

 

神社の長吏(神主や僧侶に代わり、政権との事務連絡を行う者の中心人物)が鎌倉に上がって、神社創建の経緯を説明して社領の安堵を請願し、ふたたび領田を保証され、その引証と文殊菩薩像を賜った。

 

1212年 佐原時連が新宮城を築き、新宮を氏とする。
1433年 新宮氏が、会津一円の支配をめぐって宗家の芦名(佐原)氏と兵戦の末、滅亡する。
1601年 蒲生秀行が会津に入部し、補修を加え、金品を寄贈する。
1611年 8月に大地震があり、すべて倒壊する。
1614年 蒲生忠郷が社殿を再建。このときはじめて新造長床供養の文字が見える。

1643年

 

 

三代将軍徳川家光の異母弟保科正之が会津入封。正之は新宮熊野神社を会津七大社の一社と定め、藩の祈願所としたびたび代参があり、修復も加えた。

 

1737年 山崩れにより社殿が倒壊。その後社殿の修復がたびたびおこなわれる。
1820年 山崩れにより三社が倒壊。その後数年間にそれぞれ復旧する。
1936年 銅鉢が国重要美術品に指定される。
1953年 牛頭版木が県重要文化財に指定される。
1955年 銅製鰐口が県重要文化財に指定される
1959年 銅鉢が国重要文化財に指定される。
1963年 長床が国重要文化財に指定される。
1964年 木製文殊菩薩像が県重要文化財に指定される。
1967年 御神像6躯、本殿3棟が県重要文化財に指定される。

長床の規模

間口:27.273メートル

奥行:12.12メートル

柱数:44本

柱間:3.03メートル

棟高:11.25メートル

 

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